Android 版の録音設定 ― 入力ソースと音声処理
Android 版には、iOS 版には無い設定がいくつかあります。 端末とマイクの組み合わせで結果が変わる部分なので、何を触ると何が変わるのかを整理します。
入力ソースを選ぶ
Android は、同じマイクでも「何に使う音か」を指定できます。指定によって、OS 側が勝手にかける処理が変わります。
| 入力ソース | 性格 |
|---|---|
| MIC | 標準。多くの端末でほどよく処理が入る。迷ったらここから |
| VOICE_RECOGNITION | 音声認識向け。余計な加工が少なく、文字起こしとは相性が良い |
| VOICE_COMMUNICATION | 通話向け。エコー除去が強く効くぶん、音質は犠牲になる |
| UNPROCESSED | 加工なし。効くかどうかは端末次第で、対応していないと他へ落ちる |
UNPROCESSED は端末依存です。 対応を宣言していない端末では指定しても無視され、 実際には MIC 相当で録れます。録れた音を聞いて判断してください。
音声処理は切るか残すか
ノイズ抑制・エコーキャンセル・自動ゲインは、いずれも聞きやすくするための加工です。 目的によって答えが変わります。
- 文字起こしが目的:切る。加工で消えた成分が認識に効くことがあります
- 人が聞き返すのが目的:入れる。特に自動ゲインは音量差を均してくれます
- 素材として保存する:切る。後段でいくらでも処理できます
ハイパスフィルタ
低い周波数を落とす設定です。空調の唸りや机の振動は低域に集中しているので、 60Hz か 80Hz を入れると聞きやすくなります。人の声の基本周波数はおおむね 100Hz 以上なので、 80Hz 程度なら声への影響はほとんどありません。120Hz まで上げると、低い男性の声が痩せることがあります。
サンプルレートは端末が決める
44.1k / 48k / 88.2k / 96k / 192k から選べますが、端末が対応していない値を選ぶと自動で落ちます。 192kHz を選んでも実際には 48kHz で録れている、ということが普通に起きます。 録音画面の表示で、実際に使われている値を確認してください。
Bluetooth マイク
Bluetooth を優先する設定にすると、接続中のヘッドセットから録れます。ただし通話用の伝送は 帯域が狭く、音質は本体マイクより落ちるのが普通です。接続が切れると録音も途切れます。 長時間の収録では、本体マイクか有線を選んでください。
無音スキップと自動分割
無音スキップは、しきい値より小さい音が続く区間を記録しない機能です。長時間の待機を含む収録で容量を節約できますが、 小さい声も無音と判定されることがあります。会議や取材では切っておくほうが安全です。
自動分割は入れておいてください。長い収録を 1 本にまとめると、何か起きたときに全部を失います。
バックグラウンド録音
前景サービスで動くため、画面を消しても他のアプリを開いても録音は続きます。 通知に経過時間・ファイル名・入力ルートが表示されるので、そこで生きていることを確認できます。 端末の省電力設定が強い機種では、除外設定を検討してください。