会議の録音から議事録を作る手順
録音してから議事録の下書きができるまでを、実際の操作順に沿ってまとめます。 音声の文字起こしは端末の中だけで動くので、社外に音声を出せない会議でも使えます。
1. 録音する前に決めておくこと
マイクの位置
議事録の品質は、後段の文字起こしより録音の時点でほぼ決まります。 端末は話者の中心に置き、プロジェクターやエアコンの送風口から離してください。 机に直置きすると、資料をめくる音やペンを置く音を拾います。ノートやハンカチを一枚敷くだけで変わります。
録音形式
文字起こしを前提にするなら、圧縮のない WAV が有利です。iOS 版は WAV(16bit / 24bit 整数・32bit float)で 記録します。会議室のように音量差が大きい場面では 24bit にしておくと、小さい声が潰れにくくなります。 容量が気になる場合でも、1 時間の会議なら 16bit・モノラルで十分に扱える大きさです。
長い会議は分割する
2 時間を超える会議は、一定間隔でファイルを分ける設定にしておくと安全です。 1 本にまとめると、途中で何か起きたときに全部を失います。分けておけば被害は 1 ファイルで済みます。
2. 録音する
録音画面の入力レベルを見て、話しているときに振れていることを確認してから始めます。 振れていなければ、別のアプリがマイクを掴んでいるか、外部マイクが選ばれています。
会議中に電話がかかってくると録音は止まります。重要な会議では機内モードにするか、 着信を通知のみに切り替えておいてください。
3. 文字起こしする
録音が終わったら、文字起こしのタブで音声認識モデルを選びます。モデルは初回だけダウンロードが必要で、 以降はオフラインで動きます。会議の音声が社外へ送られることはありません。
モデルは精度と速度が引き換えです。1 時間の会議で全体像をつかみたいだけなら軽いモデル、 発言をそのまま引用したいなら重いモデルを選びます。まず軽いモデルで通し、 必要な箇所だけ重いモデルでやり直すのが速いです。
4. 読める文章に整える
音声認識の出力は、そのままでは議事録になりません。要約・校正の機能を使って、 言い淀みや繰り返しを落とします。iOS 版はこの処理も端末内のモデルで行います。
整えたあとは、次の 3 点を人の目で確認してください。音声認識が苦手とするところです。
- 固有名詞:人名・製品名・社名は高い確率で崩れます
- 数字:金額と日付は、桁や単位が変わっていないか確認します
- 否定:「〜しない」が「〜する」になっていると意味が反転します
5. 共有する
書き起こしはテキストファイルとして共有できます。同席者の端末が近くにあるなら AirDrop がいちばん速く、 メールやチャットに載せる必要もありません。録音そのものを渡したい場合も同じ共有ボタンから送れます。
よくつまずくところ
文字起こしの精度が上がらない
多くの場合、原因は認識側ではなく録音側です。マイクと話者の距離、空調の音、 複数人が同時に話している箇所を確認してください。録り直せない場合は、 重いモデルへ変えると改善することがあります。
誰の発言か分からなくなる
話者の識別は行いません。発言者を残したい会議では、発言の頭で名前を言ってもらうか、 録音と並行して発言順のメモを取っておくと、後から突き合わせられます。
録音が途中で止まっていた
空き容量の不足、通話の着信、他のアプリによるマイクの占有が主な原因です。 WAV は仕様上 1 ファイル約 4GB が上限で、到達すると自動的に停止します。